【DAY25-26】コルマール&ストラスブール ──木組みの街で聖地巡礼と色彩の旅

旅行

10月11日

コルマールはフランス北東部アルザス地方にある、色鮮やかな木組みの家と運河が美しい中世の街である。「小さなヴェネツィア」とも呼ばれ、花に彩られた街並みや歴史的建築が魅力で、代表的な見どころには運河沿いの旧市街やゴシック様式の教会、美術館などがある。アルザスワインや郷土料理も楽しめ、ストラスブールから電車で約30分、パリからはTGVで約2時間半とアクセスも良好である。徒歩での街歩きに適しており、春夏は華やかに、冬はクリスマスマーケットで幻想的な雰囲気に包まれる、季節ごとの魅力も豊かな街である。

費用

項目 内容 金額(現地通貨) 円換算(概算)
🍽️食費 昼食 27.5€ ¥4,593
🍷食費 ワイン 25€ ¥4,175
🚆交通費 電車移動 15.10€ ¥2,522
🏨宿泊費 宿泊 ¥4,753
🏨宿泊費 都市税(city tax) 0.88€ ¥146
合計 ¥16,189

17:00 コルマール着

ハウルの動く城やご注文はうさぎですか?のモデルとされている街で実際に全く同じ構図の場所が存在するということでぜひ訪れたかった木組みの街。思っていたよりも早くの到着でまだ明るく、夕日のきれいな日だったこともあり少し観光していくことに。

17:10 シャン=ド=マルス公園

コルマール中心部に位置する市民公園で、整備された並木道と噴水、彫像が点在する憩いの空間。19世紀末に整備され、現在は地元住民の散歩や子どもたちの遊び場として親しまれている。公園の中央には、フランス革命の英雄ラファイエットの像が立つ。

17:20 プティット ヴニーズ(La Petite Venise)

旧市街の南端に広がる運河沿いのエリア。水路に沿ってカラフルな木組みの家々が並び、「小さなヴェネツィア」と呼ばれるほどの美しさを誇る。かつては魚市場や野菜市場が立ち並び、現在は観光用のボートクルーズも運航されている。

夕暮れ時には水面に街並みが映り込み、幻想的な風景が広がる。小川と木組みの家を一度に眺められるこの場所は、街で最も美しい景観のひとつだと感じた。

17:50 プフィスターの家 (Maison Pfister)

1537年に建てられたルネサンス様式の邸宅で、コルマールを象徴する建築のひとつ。木組みと石造りが融合した外観に、聖書や歴史上の人物を描いたフレスコ画が施されている。八角形の塔や張り出したバルコニーが特徴的で、当時の裕福な商人の暮らしぶりを垣間見ることができる。

「ハウルの動く城」に登場する建物のモデルとして知られ、アニメと現実が重なる瞬間に心が躍る。

18:10 ラ メゾン デ テート(Maison des tetes)

1609年に建てられたバロック様式の商館。ファサードには106体もの彫刻された人間の頭部が並び、奇抜で印象的な外観を持つ。現在は高級ホテルとレストランとして営業しており、内部の見学も可能。

宮崎駿監督が宿泊したと言われている建物でもあり、コルマールの建築美の中でも異彩を放つ存在。

宿泊

宿は中心部から徒歩で20分くらい離れた場所にあるホステル。この街に安い宿は少ない。学校のような造りで部屋数は多いが廊下が長くて暗い。部屋は6人部屋に2人だけなので広々とつかえたがカメムシが飛び回っていた点は困った。

少しの観光のつもりが街が小さいのでほとんどめぼしい場所を見切ってしまった。明日はもう少しニッチな聖地巡礼をしてゆっくり街を歩いて楽しみたいと思う。

10月12日

朝起きると身体中がかゆい。ダニにかまれたのだろうか。部屋はカメムシの匂いがひどい。勘弁してほしい。

10:00 ツーリズムオフィス

旧市街の中心に位置する観光案内所。地図やパンフレットの配布、現地ツアーの受付などを行っており、コルマール観光の起点となる施設。スタッフは英語対応も可能で、周辺の見どころやイベント情報を得ることができる。

10:20 サン・マルタン教会

13世紀に建設されたゴシック様式の教会で、コルマール最大の宗教建築。重厚な石造りの外観に加え、内部にはステンドグラス、彫刻、パイプオルガンが設置されている。かつては大聖堂として機能していたこともあり、荘厳な雰囲気が漂う。

教会内のベンチでしばらく休憩。静かな空間で、旅の疲れを少し癒す。

12:00 Au Chasseur

コルマール旧市街にある郷土料理レストラン。アルザス地方の伝統料理を提供しており、タルト・フランベやシュークルート、地元産のワインとのペアリングが楽しめる。店内は木の温もりを感じる内装で、観光客にも地元民にも人気。

ごちうさのラビットハウスのモデルとなったと言われているレストラン。色合いも、角度も少し違うが確かに雰囲気がある。シュークルートを頂く。ポトフのような感じ。ボリュームが多くて非常におなか一杯になった。

14:30 ストラスブール着

フランス東部最大の都市であり、欧州議会の所在地でもあるストラスブール。ドイツとの国境に近く、アルザス地方の文化が色濃く残る。旧市街はユネスコ世界遺産に登録されており、石畳の路地と木組みの家々が広がる。

コルマールを発つと個人的にはあとは消化試合という気持ち。この旅でしたかったことはもうすべて終わったといってもよい。あとは日程を消化しながらミュンヘンに戻って日本への飛行機に乗ることとだけ。

ストラスブールに向かう電車内で前の犬がかわいい

15:15チェックイン

街を見ながらホテルへ向かう。無事チェックイン完了。宿が非常にきれいで、ベッドにカーテンがあるのもうれしい。

16:20 ノートルダム大聖堂

ストラスブールの象徴とも言える大聖堂。着工は1015年、完成は1439年と長い年月をかけて建てられたゴシック建築の傑作で、尖塔の高さは142m。内部には天文時計やステンドグラスがあり、荘厳な空間が広がる。フランス国内でも最大級の規模を誇る。

かなり大きな大聖堂。どの都市に行っても大体大聖堂があるのでもはや大聖堂マスターなのかというくらい、大聖堂には寄っている。ほぼ何も感じないが、ここの大聖堂は特に大きいという感想を抱くほどには巨大。

16:50 ラ・プティット・フランス

旧市街の西端に位置する歴史地区。かつては皮革職人や漁師が暮らしていたエリアで、イル川に囲まれた木組みの家々が並ぶ。現在はカフェやレストランが立ち並び、観光客に人気の散策スポット。水辺の風景が美しく、写真映えする場所としても知られる。

閘門式運河があり水位差のある川を登っていく様子が見られる。船が通る際には橋が回転したりと初めて見る光景。

17:00 ヴォーバン・ダム

17世紀に築かれた防衛用の水門で、ラ・プティット・フランスの西端に位置する。内部には展望回廊があり、旧市街と川を一望できる。かつては洪水対策や都市防衛の役割を果たしていたが、現在は観光施設として整備されている。

17:15 Un Cantalou à Strasbourg(ワインバー)

このワインバーではおしゃれなワインのテイスティングを楽しむことができる。シンプルながらも分かりやすい説明で案内してくれた。6種類の試験官に入ったワインと6種類の代表的なチーズの組み合わせを楽しんだ。どれも美しく盛り付けられていて、美味しかった。

店内も非常におしゃれ。ワインとチーズの相性が抜群。

店を出ると少し暗くなりはじめていた。広場に設置されたメリーゴーランドが明るく光っていてきれい。

総評

🏘️コルマール

コルマールは、まるで絵本の中に迷い込んだような美しい街だった。カラフルな木組みの家々が並ぶ街並みは、他ではなかなか見られない独特の景観で、歩いているだけで新鮮な気持ちになる。

「聖地」として知られる場所が多いため、何気ない路地裏ですら意味づけされて魅力的に見えてくるのが面白い。見慣れたはずの風景が、作品と重なることで特別なものになる──そんな感覚が旅をより楽しくしてくれた。

治安は非常に良く、心配するようなことは一切なかった。物価については街歩き中心だったため明確な印象はないが、特別高いとも安いとも感じなかった。ただし、安価なホステルは限られており、アクセスもやや不便。街の規模はコンパクトなので、1泊あれば主要な見どころは十分に回れる。

もし次に訪れるなら、クリスマスマーケットの時期に来てみたい。イルミネーションに包まれた木組みの街は、きっとさらに幻想的だろう。

🏛️ストラスブール

ストラスブールも木組みの街ではあるが、コルマールと比べると色合いは控えめで、落ち着いた印象。街の規模は大きく、建物の数もサイズも圧倒的。駅も立派で、都市としての風格を感じる。

観光地としての「見どころ」は少なめだが、街そのものが見応えのある存在。コルマールに比べて人通りが多く、観光客も多いため、活気がある。路上で雑貨を売る人や、教会の中で古本市が開かれていたりと、フリーマーケット的な催しが自然に街に溶け込んでいるのも印象的だった。

治安面の不安はなく、物価もコルマールと同程度。宿泊施設の選択肢が豊富なのはありがたいポイント。都市としての利便性と、街並みの美しさが両立している場所だった。

どちらの街も、それぞれの個性があり、木組みの建築が織りなす風景の中で、静けさと賑わいのバランスを楽しむことができた。コルマールは「物語の中にいるような街」、ストラスブールは「都市の中に残る物語の断片」。どちらも、歩いてこそ味わえる魅力が詰まっていた。

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