Clair Obscur: Expedition 33レビュー

フランス発の幻想RPG『Clair Obscur: Expedition 33』は、ターン制とリアルタイムアクションを融合した独自の戦闘システムと、美しくも儚い世界観で注目を集めている。本記事では、実際のプレイ体験をもとに、操作性・ストーリー・ビジュアル・音楽・ボリュームの5項目から本作を徹底レビューする。探索の不便さやムービーの長さなど、気になる点も含めて正直に評価しているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてほしい。

プレイ時間 10時間程度

🎮 1. ゲームプレイ(操作性・難易度・テンポ)A

📖 2. ストーリーと世界観S

🎨 3. ビジュアルとアートスタイルA

🎧 4. サウンド(音楽・効果音・ボイス)S

🧩 5. ゲーム構造とボリューム(コスパ)B+

 

ゲームプレイ(操作性・難易度・テンポ)評価:A

戦闘はターン制とリアルタイムパリィを融合させた斬新なシステムで、操作性は良好。パリィが苦手なプレイヤーでも難易度調整が可能なため、幅広い層が楽しめる設計になっている。

一方で、パリィのモーションが視認しづらく、演出の長さによって戦闘時間が伸びる傾向がある。これによりテンポが悪くなり、特に雑魚敵との戦闘が煩わしく感じる場面が多かった。

さらに、キャラクターごとの戦闘スタイルの違いから覚えるべき要素が多く、テキスト量も膨大である。やり込みを好むプレイヤーには適しているが、煩雑さがストレスになる可能性もある。

 

ストーリーと世界観 評価:S

物語は謎めいた導入から始まり、徐々に世界の全容が明らかになる構成で、探索と発見の楽しさがある。特定の年齢になると花びらになって人々が消えるという設定は、悲しくも美しく、これまでにない世界観を構築している。

没入感は非常に高く、プレイヤーを物語の中に引き込む力がある。ただし、終盤の展開は好みに合わず、内容の複雑さから整理に時間を要した。ムービー中に集中力が途切れ、別のことを考えてしまう瞬間が生まれたのは残念である。

 

ビジュアルとアートスタイル 評価:A

UIはスタイリッシュで、全体のビジュアルも高水準。建築や風景は絵画のように美しく、アートスタイルの完成度は高い。

ただし、ミニマップが存在しない仕様は探索において大きなストレスとなった。未探索だから地図がないという設定は理解できるが、既に通った道の地図すら表示されないのは不親切である。正しい道を歩いているかどうかの不安が常につきまとい、探索の楽しさが損なわれた。迷っている時に長い戦闘が発生すると、さらにストレスが増す構造になっている。

 

サウンド(音楽・効果音・ボイス)評価:S

フランス語の歌が美しく、耳に残る印象的な音楽が多数収録されている。ゲームプレイ後も曲だけを聴き返したくなるほど、サウンドの完成度は非常に高い。音楽は世界観と密接に結びついており、物語の感情を強く引き立てている。

 

ゲーム構造とボリューム(コスパ)評価:B+

寄り道要素ややり込み要素は豊富に用意されているが、ミニマップの欠如によって探索への忌避感が強まり、結果的にストーリーを一直線に進める形になった。これにより、やり込みへの意欲が湧かず、メインストーリーのみで完結するプレイスタイルとなった。

メインストーリーのボリュームはコンパクトで、短時間でクリア可能な構成になっている。コストパフォーマンスとしてはやや物足りなさを感じる部分もある。

 

その他:ムービー構成と演出

ムービーの分量は非常に多く、1回あたりの長さも過剰に感じた。映像作品を見ているような感覚に近く、ゲームとしてのテンポを損なう場面があった。物語の演出として映像を多用するスタイルは好みが分かれるが、ゲームとしての体験に落とし込む工夫が必要だった。

 

洋ゲーへの嫌悪感について

本作はフランス発の作品であり、いわゆる「洋ゲー」的な演出や構造が随所に見られる。そのため、洋ゲー特有のテンポやUI、演出に対して抵抗感を持つプレイヤーには合わない可能性がある。特にムービーの長さや探索の不便さは、国内RPGに慣れた層にとって違和感となる。

 

総評

『Clair Obscur: Expedition 33』は、芸術性と独創性に満ちた作品である。美しい世界観と印象的な音楽、革新的な戦闘システムは高く評価できる。一方で、探索の不便さやムービーの過剰さ、テンポの悪さがプレイ体験に影を落とす場面も多かった。万人におすすめできる作品ではないが、唯一無二の世界に触れたいプレイヤーには強く推奨できる。

 

 

 

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レビュー
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