まったく面識のない海外の人物や法人から「これは儲かる」と思える話が舞込んで来たことはないだろうか。近年、日本国内では「振り込め詐欺」が話題になっているが、海外からはより巧妙な手口でアプローチしてくる詐欺事例が多くあるのだそう。
旅行系のブログやSNSに限ったことではないけれど、詐欺や怪しいビジネスの勧誘というものは至る所から忍び寄ってくるものです。私自身、ブログ記事を拡散しようとSNSに力を入れ始めるとちょくちょく、怪しいビジネスや詐欺へのお誘いが多くなってきました。今回はつい最近Instagramにきた海外からの怪しい事例について見ていきたいと思います。
手口
今回私のもとへ仕掛けられた詐欺はおそらく分類上は国際ロマンス詐欺というものに該当するものでしょう。
国際ロマンス詐欺とは、
インターネットの出会い系サイトやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などを通じて知り合った欧米系や紛争発生国に在住などと名乗る異性(軍人、医師、国連職員、船員、資産家等)から、交際や結婚を申し込まれ、その後、多額の秘密資金や資産、第三国での投資資金、贈答品、家財の送金費用・手数料、あるいは本人・家族の生活費や渡航経費の送金など様々な金銭的要求が出てくる「詐欺」と思われるケースまた、最近は恋愛問題に止まらず、年配のご婦人を「ママ」と慕う振りをして懐に飛び込む、あるいは架空の波乱万丈な身の上話を作り上げて相手の同情を買う等の手口も見られます。
最近の具体的な手口
婚約者や恋人を装った犯人の金品詐取の手口は巧妙かつ多種多様ですが、ここでは幾つかの事例を紹介します。
・自身の資産や高額の贈り物、家財を日本に送付するための費用や手数料の支払い要求。
・現金や高価な贈り物が、積み替え港、到着港の税関で差し押さえられ、その関税や解除金、罰金を当局に支払う必要があるとして金銭を要求。
・任地(紛争発生国)から日本に渡航するための航空賃を要求。
・送った貨物の保険料として金銭を要求。
・出張先で至急現金が必要となる緊急事態が生じ、送金を要求。
・新たなビジネスのための機械を購入したが、持っていたカードが使用できないため、機械代金の立て替えを要求。
・別れた前妻との間の子供が重病で、その入院費用と治療費を要求。
・弁護士と名乗る者から、あなたの婚約者が海外の当局で拘束されたといって、その解放のための弁護士費用を要求。
今回は、手口としては通関税や送料、口座開設料を要求してきており、このケースに近いと判断しました。
対策
上述の例と類似のケースが発生した場合は、慎重に対応し、金銭を要求されたときには安易な送金を絶対に行わないでください。最初は少額の場合でも、一度支払いに応じると、次々に要求され、要求額が次第に高額になるというパターンが多く発生しています。また日本で多発する「振り込め詐欺」同様に、「すぐにお金が必要だ」という相手のセリフに惑わされないよう注意すべきでしょう。積み替え港で税関から関税を要求されるということは絶対にないので、この手の支払いには絶対に応じないでください。
https://www.jetro.go.jp/contact/faq/419.html参照
今回の実例
※返信の英語が不自然かもしれませんが、英語が読めなくても雰囲気だけつかんでいただければ結構です。
- 外国人からインスタグラムにメッセージが届く。イギリス人と名乗るがこちらを中国人だと勘違いしたのか、中国語で話しかけてくる。←私は、ブログ勧められるかもと思って会話をスタート。普段から返信はするようにしている。
- 趣味や職業、国籍などの普通の会話もほどほどに、重大な話がある事を匂わせ、信頼するか問うてくる。←この時点で怪しいが、面白そうだから信頼を誓い話を先に促す。
- 「夫が死に莫大な遺産が入ったが、この遺産を慈善事業に使いたい。だが自分は病気で動けないため、あなたが代わりに配ってほしい。70%を寄付に、30%は自分で使って良い」とのこと。額は200万ドル。←詐欺と確信したが、ここからどうやって金をせびってくるのか気になったためもう少し話を聞くことに。
- 住所や電話番号、身分証明書の提示を求められる。←この情報ではお金は取られないと判断。継続(絶対に真似しないでください)。
- 大金の写真とそれを送った旨のROYAL Express cargoluxでの配達伝票が提示される。会社は検索したら、それなりに情報が出てきたため、本当にある輸送会社であるっぽい。会社からお届けの連絡がメールアドレスに来たことから、配達はどうやら事実っぽいと感じた。 https://royalexpresscargolux.com/
- 受け取る際に通関手数料が必要だと言う旨は発送前後から何度も言われる。額は3500人民元。なぜ中国通貨なのかは疑問。支払い方法はエージェントからお知らせがあるらしい。←これに対し、事前にPayPal等の海外送金サービスを利用して、手数料を送金する事を要求。全てスーツケースに詰めたため手元にない。病気で動けないなどを理由に拒絶。この状況ではスーツケースを受け取るためにお金を払って、いざスーツケースを開けたら空だったというオチになるだけだろう。
- こちらから、事前送金をしないのであれば受け取らない。と主張。相手は何度も説得。神の話などを織り交ぜてくる。後に、話はなかった事でと引き下がるのだが、数時間すると、受け取る準備はできているかと記憶喪失にでもなったのか催促を再開。※こちらが返信しないと「???」と催促してくる。可愛いやつめと思わずにはいられない。
- ここで終わるかと思いきや銀行を通じて送金するとの相手型の提案。PayPal送金という選択肢はないらしい。
- 相手方が銀行を提示west Whitney bank https://westwhitneybank.com/という銀行を介すとのことで、銀行から連絡あり。こちらはすでに先手を取って振り込んで欲しい口座と必要な情報は全て提示済み。←この段になると流石にこちらも対応がめんどくさくなりおざなりに、相手方もあまり連絡してこなくなった。この流れから如何にしてお金を請求してくるか気になるところだが、今回はここまでだろうか?
- 銀行側からの連絡。こちらの指定した口座には金額が大きすぎてIMFに許可されなかったので、新しく口座を作ってほしい5850ドル必要で、そのお金は返金されるとのこと。←一度に送金できる金額に分割して送金するように指示。または、5850ドルは少額なので他の送金サービスで個別に送金するように指示。
- 流石の私も銀行と詐欺師の両方からの連絡につかれたため、もしあなたが、詐欺師なら私は一銭も払うつもりがないので、時間の無駄です。もし払うつもりがあるのなら、あなたの方で手数料がかからない方法で送金してください。」と畳みかけたところ。このプロジェクトを受け入れる他の人を探すとのメッセージを最後に連絡が途絶えた。
巧妙な点
・実際の写真を多用して信用性を高めてきました。特に、ROYAL Express cargoluxという実在すると思われる会社によって荷物を送ろうとし、その控えや、配達会社からの連絡などはどこまでがグルなのかの判断は難しくしてきました。他の企業や団体を介することで信用をつかもうとする手口は注意です。
真実発見方法
そもそも見ず知らずの他人にお金を渡すとか、あなただけが儲かるビジネスがあるだとかいう話の時点で詐欺を疑ってほしいものですが、確信を得る手段として要求と検索があります。まず、相手からの言いなりになって手続きを進めると相手の思うつぼなので、こちらの要求。今回でいえば、こちらはお金を受け取るまではお金を払わないというようなことを伝えて反応をみるとよいでしょう。これで、相手が渋るはずなのでこれであなたの目も覚めることでしょう。
そして検索。特に写真は有効でGoogleの画像検索をするとネット上に同じ記事が転がっていることでしょう。もしかしたら、この写真の人に詐欺を受けたという報告が上がっているかもしれません。
特に怪しいポイント実例
グーグル画像検索にて送られてきた写真は検証してみました。
また、最後に取引を持ち掛けられた、west Whitney bankはホームページこそあるが、他の情報が一切得られなませんでした。実在する会社なのかあやしいと感じました。
まとめ
結局のところ請求してきた額は3500人民元(日本円で6万円)程と、イマイチ詐欺としては少なく感じました。一度支払うと上乗せしてくるシステムかもしれませんね。最後の方はノーリスクで銀行に200万ドル払うように自分が請求していたわけですが、本当に来てしまったらそれはそれで怖いですよね。どんなやばいお金かわからないし、納税とかどうすればいいんだろうか?もしかしたら、犯罪者扱いされるかもしれませんね。海外の法律の話をされると弱いので。
こう言う事例は極力無視して、法律が明確な国内の事例だけ攻めていくようにしようと誓ったのでした。
注意
今回私がやったような容易に個人情報を渡すようなやり方は危険ですから真似をしないようにしましょう。基本的には時間の無駄なので、無視するのが一番かと思います。
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