Instagramで旅行系のSNSをやっていてしょっちゅう勧誘があるのがこのMLM系のビジネスの勧誘です。ちょっと怪しいけれど、実態がよくわからないと言う人も多いのではないでしょうか。今回はその実態と、断った方が良いのか否かに関して解説いたします。
MLMとは
MLM（マルチレベルマーケティング）は連鎖販売取引という 合法な販売手法である。 個人を販売員として勧誘 し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせるというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務 の取引のこと。
特定商取引法は、「連鎖販売業」を次のように規定している
（特定商取引法33条）１、物品の販売（または役務の提供など）の事業であって２、再販売、受託販売もしくは販売のあっせん（または役務の提供もしくはそのあっせん）をする者を３、特定利益が得られると誘引し４、特定負担を伴う取引（取引条件の変更を含む。）をするもの
具体的には、「この会に入会すると売値の３割引で商品を買えるので、他人を誘ってその人に売れば儲かります」とか「他の人を勧誘して入会させると１万円の紹介料がもらえます」などと言って人々を勧誘し（このような利益を「特定利益」といいます）、取引を行うための条件として、１円以上の負担をさせる（この負担を「特定負担」という。）場合であれば「連鎖販売取引」に該当する。
合法とされているが33条の規制は実質禁止といえるほど厳格なものであり、MLMを謳う業者はグレーな側面も多い。実際、個々人に対して、実質的に無限連鎖講（ねずみ講）に類する行為を行ったり、商品の性能や品質の誇張、また「簡単に儲かる」といった、安易に収入になることを強調したセールストークを用いたり、（長時間にわたって）勧誘し市場価格より高額な値段の商品を販売したりする者も依然存在している。
コスメの案件が多いとされているが、近年は会員制旅行代理店の案件も増加している傾向。
ねずみ講(無限連鎖講)
ねずみ講(無限連鎖講)は商品販売のないMLMのようなものである。つまり、現金だけをMLMの方式で集めることである。無限連鎖講防止に関する法律で禁じられている行為にあたる。
この法律において「無限連鎖講」とは、一定額の金銭を支出する加入者が無限に増加するものであるとして、先に加入した 者が先順位者、以下これに連鎖して段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者がそれぞれの段階に応じた後順位者となり、順次先順位者が後順位者の支出する金銭から自己の支出した額を上回る額の金銭を受領することを内容とする金銭配当組織をいう。(無限連鎖講防止に関する法律2条)
典型例として「最初に会費を払って入会する。元を取るためには2人勧誘すればよい。あとは、勧誘した二人がさらに勧誘した人物の入会料の一部が紹介料として収入になる。」というものがある。
これは、そのスキームに参加するメンバーに対して、報酬や支払いを約束するだけでなく、そのメンバーが新しいメンバーを勧誘することに関しても報酬や支払いを約束するビジネス形態であるピラミッドスキームに分類される。MLMもピラミッドスキームに分類される。
実際の事例
Instagramでの勧誘
※相手がインスタアカウントを消して逃げたためスクショを提示できません。
①こちらの投稿に対して「素敵な写真ですね、旅行に興味があるのですか」などと声をかけてくる。
②相手が自分の経歴を長々と話してくる。（シングルマザーや若い起業家を装うことが多い）
③とあるビジネスによって不労所得で収入を得ており、旅行に行きたい放題とのアピール
④知りたければ動画を見ろといわれる。内容が薄く稼ぐ方法の核心には触れない。いかに自分が裕福な生活ができているか、とても簡単なアルことをするだけで人生が変わった。などというよくある怪しい誘い文句が並ぶ。2本目を見るためには1本目最後のパスワードが必要だったりする。
⑤結局、数万円の旅行サイトへの登録を勧められ、5人紹介するとランクが上がり数万円得られるという典型的なMLMの勧誘となる。
クラウドワークスでの勧誘
①クラウドワークスという業務委託等をネット上で簡単にできるサイトがあり、その中の求人に簡単に30万円稼げるという募集が出ている。仕事内容は募集分のコピペによる求人掲載とのこと。
②応募するとLINEにつながれ、担当は体調が悪いながらこの仕事をして稼げている旨を聞かされる。時に日本語がおかしい。文脈関係のない病弱アピールと稼げるアピールがしつこい。
③その後LINE通話を使った説明会に案内される。内容はホテルに泊まれるポイントがもらえるというworldventusというサイトの登録と、それの勧誘をするというものであった。質疑応答などもしていた。
ワールドベンチャーズとは2005年に設立されたアメリカの会員制旅行会社で、世界42か国で展開しており、会員数は数百万人を超えており、入会すれば会員価格で安く旅行することが出来る。これだけでは普通の旅行会員サイトの様だが、旅行しながら稼ぐということを前面に押し出しており、ワールドベンチャーズを他の人に紹介してキャッシュバックを貰うという制度を利用することで4人紹介すれば入会手数料の元が取れるという仕組みとなっておりMLMの典型パターンとなっている。
企業のトップが逮捕された、2020年に倒産した、ねずみ講の片棒を担がされたと詐欺被害を報告する人が多いなどトラブルがかなり多いが、上記のようにMLM自体は違法ではないのでその点は問題ない。しかしながら、稼げるかどうかは別でこの仕組みはそもそも後から参加した人は基本的に稼ぎにくい仕組みであること入会費は最低370ドルであること。仕組みはねずみ講と同じなので友達をなくす可能性があること。初期費用がないというと自己アフィリで何としてでも入会させようとしてくることなど稼ぐのはかなり大変だろう。ちなみに2022年現在サイトURLはドリームトリップという別のモノに代わっており、今後の動向に注目したい。
ワールドベンチャーズに限らずMLMは仕組みを作った人は稼げるが、跡から参加した人は稼ぎにくい仕組みであるから参加するのは十分に注意してほしい。また、簡単に稼げる方法などないということも理解すべきであるだろう。
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