評価
A+
🎮 1. ゲームプレイ(操作性・難易度・テンポ) A
📖 2. ストーリーと世界観 A+
🎨 3. ビジュアルとアートスタイル A
🎧 4. サウンド(音楽・効果音・ボイス)A-
🧩 5. ゲーム構造とボリューム(コスパ)S+
プレイ時間 約80時間
総評
『Silksong』は、前作『Hollow Knight』のDLCとして構想された作品だけあり、難易度の高さや不親切なマップ設計、セーブポイントの少なさなど、前作譲りの“厳しさ”が色濃く残っている。そのため賛否は分かれるが、個人的にはこの難易度の上昇は妥当だと感じた。
前作もプレイ中は何度もイライラさせられたが、クリア後の達成感は格別で、今作もその本質は変わっていない。自分はアクションゲームが得意ではないが、根気よく挑戦し続けた結果、真エンドまで到達できた。結局このゲームは「根気」がすべてだ。
価格面でも、前作同様2000円台という低価格で広大なマップと膨大なボリュームを提供しており、コストパフォーマンスは非常に高い。ただし、6年間という長い開発期間が期待値を過剰に引き上げてしまったのは否めず、プレイヤーに優しくなったわけではない点に不満を感じる人もいるだろう。前作を超えてきたとは到底思えなかったし、個人的には『九日:ナインソール』の方が楽しめた。
😤 ストレスポイントまとめ
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ベンチからボスまでの距離が長く、周回効率が悪い
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前作にあった嬉しいパワーアップ要素が減少
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道具は強力だが、破片集めが面倒
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ロザリー集めも煩雑でテンポを損なう
🧗 アスレチック要素
『Silksong』のアスレチック要素は、前作以上にプレイヤーの操作精度と忍耐力を試す構成となっている。特に“下斬り移動”が標準技術として求められる場面が多く、これを習得していないと進行そのものが困難になる。一部のエリアでは、ジャンプ中の下突きが必須となるが、クレストによる補助があれば比較的スムーズに対応できるため、装備の選択が攻略の鍵を握る。
ただし、アスレチック中に2ダメージを受ける仕様は理不尽に感じられる場面も多く、YouTubeの実況者たちからも「一瞬のミスが致命傷になる設計は、達成感よりもストレスが勝る」といった声が上がっている。Redditでも「難しいのは構わないが、リカバリーの余地がないのは不親切」との意見が散見される。
🔧 カラクリエリア:前作の悪夢、再び
このエリアは前作『Hollow Knight』の高難易度エリアを彷彿とさせる構成で、トラウマを呼び起こすプレイヤーも多いのではないか。ギミックの密度が高く、タイミングと精密な操作が要求される。特に羽(二段ジャンプ)を取得していない状態で挑むと難易度が跳ね上がるが、羽を先に取っておけばある程度楽になりそうだとかんじた。
❄️ フェイの山:寒さと距離の二重苦
このエリアは寒さによる時限ギミックが導入されており、時間内に進まないとダメージを受ける仕様。さらに、セーブポイントであるベンチまでの距離が非常に長く、特にベンチ前の水上コースはルートが分かりづらく、筆者はゴリ押しで突破するしかなかった。
🔥 マグマエリア:スピード感と爽快感のバランス
マグマ地帯は、迫りくるマグマから逃げるという点で他のエリアに比べてスピード感が求められる構成で、テンポよく進めると爽快感がある。残機があれば復帰ポイントも親切で、リトライ性が高い点は好印象。ただし、残機を失うと、一気に下まで戻されるので沼るとイライラしそう。
🪸 珊瑚エリア:視認性の悪さが最大の敵
珊瑚のエリアは時限ギミックに加え、コースの先が非常に見えづらい構造になっている。壁に張り付いて次の動きを予測する場面と、アドリブで突き進むのが必要な場面がありトライ&エラーが必須。
⚔️ ボス戦所感
ラスボス
異次元の難しさを誇るが、理不尽というより“正確さ”を求められる戦い。基本は着地に合わせた下斬りが有効で、突進の一回目や三段斬りにもタイミングを合わせて下斬りを狙う。無理な攻撃を仕掛けると即座に反撃されるため、慎重な立ち回りが必須。第2形態以降は追加攻撃が増えるが、まずは回避を優先。第3形態まで安定して対応できるようになった後、第4形態では毒カラクリバエを全放出して逃げ切った。3章だけで15時間ぐらいかかったのだが、ラスボスとカーメリタだけでほとんど時間を使った印象だった。
カーメリタ
一度はクリアを諦めかけたほどの強敵。雑魚戦も含めて面倒な構成だが、理不尽ではなく、BGMも秀逸。体力が多く、予備動作が分かりづらいため、見極めが重要。回復はしやすいが、壁際に追い込まれてダメージを受ける場面が多かった。
珊瑚ボス
本体は避けるのが簡単で、毒バエを放って放置するだけでも勝てる。ただし、そこに至るまでの雑魚連戦(1〜3)が長く、難易度が高い。苦手な敵はシルクの嵐で一掃し、壁に張り付いて毒バエに任せるなど、敵ごとに対応を変える必要があった。
花のボス
毒バエを放ち、回避中心で立ち回ればそこまで難しくはない。突進に合わせての下斬りが主な攻撃手段。むしろ、その前に戦う守護者の方が時間がかかり、苦戦した。
ムカデ
ジャンプの頂点で攻撃する必要があり、タイミングが合わず手間取った。出現位置の真下から飛ぶと敵に当たってしまうため、軌道の調整に時間がかかった。
2章ボス 揺り籠のシルク
特筆するほどの難しさはなく、比較的簡単に突破できた。
レース再戦
カウンターのタイミングと攻撃のタイミングが噛み合わず、最初は苦戦。だが、モーションをよく観察し、少しずつダメージを重ねることで突破できた。
最後の審判者
道中が長く、個人的“だるいランキング”第2位。ただし、慣れてくると最適化できるため、攻略自体は簡単。甘えた行動をとらずにジャンプ攻撃の後にだけ攻撃しておけば時間はかかるが簡単にクリアできる。撃破後近くにいると爆発に巻き込まれる。
飛ぶ蟻とでかい蟻 捕食者の狩場
序盤では攻略を諦めた。飛んでいる蟻の槍が避けづらく、毒の設置バリを取得してから全放出で処理したら一気に楽になった。
オオケモノバエ
序盤では難しく感じて放置していたが、装備が整ってからは雑魚を早めに処理し、ボス本体に集中するスタイルで突破。針の強化によって雑魚処理の確定数が減ったのも助けになった。雑魚はオオケモノバエが倒してくれることも多いので、適度にボスに任せるのがよいかと思う。再戦の際は同じ立ち回りながら雑魚が強いので、シルクのあらしで早めに処理するのがよかった。
鳥連戦
シャクラを逃したため、ベンチからの距離が長くて面倒だった。特に飛び道具を投げてくる太った鳥が厄介で、ストレスが溜まった。
排卵の母
ステージが狭く、雑魚の自爆範囲が広いため、一度は攻略を諦めた。早めの雑魚処理と、壁に張り付いて自爆を避ける動きを徹底することでなんとか突破。
偉大なるグロウル
“道中がだるいランキング”第1位。ボスそのものよりも、そこに至るまでの構成が過酷。光るハエのゾーンでは、光風船との射線上に立たされて被弾しやすく、しかも敵が永遠に復活するため、掻い潜るしかない。さらに、ランダムで沼から飛び出す敵にも被弾しがちで、汚染状態で回復できないまま狭い足場で雑魚連戦を強いられる。アイテムを雑魚に使い切ってしまうとボス戦で詰むため、トラウマになりかけ、2章ボス手前まで放置していた。
豪炎の炎
難しいというより、純粋に楽しくなかった。空中ジャンプが浮遊に化けることが多く、火の玉が避けづらい。回復もできず、倒す順番を間違えると高所に届かなくなるなど、設計面で不満が残る。
指揮者の雑魚ラッシュ
戦闘が長く、ボスを倒したと思ったら最後に2体出てくる展開は精神的にきつい。毒バエを温存しておき、最後に一気に使うことで片方を早めに処理できれば、残りは消化試合になる。
🧰 装備・クレスト構成
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収奪者のみ:真下斬りが可能で、シルク回収効率も良く、リーチも長い
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黄色系:張り付き、コンパス
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青系:毒、回復、シルクアップ
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赤系:設置バリ、カラクリバエ、ピストル、チャクラ
🔍 探索・クエスト関連
- シタデル倉庫やカラクリの塔上部へのルートが分かりづらい
- 背教者の鍵が牢屋にありそうな演出で惑わされる
- 隠し通路が多すぎて探索が冗長に感じる
- ノミ突き 一回のトライに時間がかかる上にランダム性もあって集中力が持続しない。クリアを断念。ちなみにノミ避けも無理だと思ったが被弾後落下しなければ良いという事に気がつき、高所で浮遊していれば余裕だった。これをクリアしないならいいかと思い、他の3章のおつかいクエストはめんどくさくなった。