パリ最安のホステルに泊まってみた
パリは日本と比べて物価が高い。特に観光の上で気になったのが宿泊先の料金である。他の国(オランダ、ベルギー)でもほぼ最安のホステルに泊まったのだが、最寄り駅だとか細かな設備等を同値段帯で検討することができた。一方、パリには同値段帯のホステルが当時ほとんどなく、今回止まったホステルが最安帯であることは間違いない。
今回はパリに限らず世界にはやばい宿があるという事実、ホステルやドミトリーへの宿泊全般の注意点、宿での出来事をエピソードトーク的に楽しんでいただければと思う。どちらかといえば、宿のおすすめレビューではないことをご了承願いたい。
※現在はコロナの影響か他のホステルも値下がりしており、同値段帯のホステルも見受けられるようになっている。
宿泊先概要
費用 2泊 1ベッド €41.79≒5261円
地下鉄バルベス・ロシュシュアール駅の向かいに位置し、パリ北駅から徒歩わずか5分のJacobs Inn Hostelは、無料Wi-Fiインターネット回線付きの客室を提供しています。
Jacobs Inn Hostelでは、24時間対応のフロント、自動販売機、共用キッチン、専用テラス、荷物預かりを利用できるほか、毎日の朝食を楽しめます。
パリに到着するのが、19時過ぎの予定だったため夜間に移動したくないと考え、パリ北駅近くの宿を好んだ。この地域はセーヌ川沿いの観光地域には必ずしも近いわけではなく、治安が悪いとの事前情報もある地域であった。
他のホステルとの違い
①部屋に鍵がない
これまでのホステルは、カードキーが渡され、指定された部屋の指定されたベッドが割りあてられた。今回の宿は部屋だけ決まっておりベッドの指定がないためどのベッドを選ぶかは、早い者勝ちである。また、部屋の鍵がないわけではないのだが、最初に部屋に入る人が渡されるので2人目以降はカギを渡されない。オートロックなどという新しいものでなく、古い鍵穴があるだけの設計なので、ドアは勝手にロックされることはない。つまり基本的には部屋の鍵は空きっぱなしなのである。
②戦時中の簡易病棟化のようなベッド
これまでのホステルは木でできたベッドで、覆うような頑丈なものが多かったが、ここは赤い鉄パイプでできたベッドであった。二段ベッドの二階にのぼるための梯子が抜け落ちていて大変上りにくい。二段ベッドの二階にも関わらず柵がない。安定していないのでかなり揺れる。など寝る環境としては劣悪といえるだろう。いい意味で笑ってしまう。
少しわかりにくいが、下から2段目の梯子が抜け落ちているため、非常に上りにくい。
③コンセントの配置
コンセントが人数に足りていない部屋もあるというレビューがあったが、自分の泊まった部屋は問題なかった。ただ、ベッドにコンセントがあるわけではなく部屋のコンセントがベッドの近くにあるだけでコードの長さによってはベッドまで届かないという不便さを感じる。
④ロッカーがない
ロッカーがない。同居人も床やベッドに荷物を置いていて正直無警戒が過ぎるのだがそうするしかない。私もリュックを抱いて寝ていた。
ロッカーがないためスーツケースを部屋の角に置くしかなかったようだ。御覧のように、ベッド二階の策がなく落ちる可能性がある。奥の扉の先は洗面所とシャワールームがあった。
⑤トイレのカギが閉まらない
フロアにいくつかお手洗いがあるのだが、そのカギが閉まらない。私は巨大なリュックを使って壁に全体重をかけながら用を足したが、逆に他の方がはいっていたらどうしようと思った。
エピソード
①夜中にたたき起こされる
2泊の予定で3か月以上前から予約をしておいたのだが、なぜだか1泊目の時点で翌日の宿泊がキャンセルにされてしまったらしい。鍵等の返却するものもないので、黙って一日目観光に出かけ、もとのベッドで寝ていたのだが、どうやら四人部屋に5人いる状態になったらしく、「おまえ、予約していないぞ」と起こされた。幸い、2日目の宿泊料を払い、もとのベッドで寝られた、宿泊費も多くとられたわけでもないのだが、なぜキャンセルされたのか今でも謎である。
②なぜか同居人と仲良くなる
同居人のバングラデシュ人が積極的に話しかけてくれた、私と同じくイギリスから来たとのことでその話で盛り上がった。私のつたない英語をしっかりと聞いてくれたのもありがたい。何より形態の充電器が壊れてかなり不安な状況だったのだが相談したら充電してくれたので旅の命拾いをした。上述の部屋のブッキングの際も、私をかばってくれたし、「彼、フランス語は話せないが、英語は話せるよ」といってくれたことが留学直後の私にはうれしかった。ホステルは赤の他人と一夜を共にすることから謎の交流が生まれる点はうれしい。
注意点
ホステル宿泊の注意点として第一に荷物の管理がある。
ロッカーがあるとはいえ、鍵がなかったり簡単に開けられてしまうことがあり得るので貴重品は身に着けておくことをおすすめする。
同様に、お手洗いやシャワーが部屋から離れていることも多いのですべての荷物を持っていくことが防犯の面では安心である。その際、荷物がシャワーに濡れないように防水できる復路のようなものを持っておくと便利だと考えれれる。
まとめ
今回泊まってみての感想として、正直快適とは言えなった。この時は1か月日本に帰っていなくて、友人とも1週間ほどあっていなかったのでホームシックになりかけていたことも不安な気持ちを助長したといえる。しかしながらこの経験をしたからこそ今ではどんな宿でも泊まれるのではないかという自信につながっている。また、ホステル特有の出会いという面でも貴重な体験となった。全体を通してみれば、もう一度泊まりたいとは思えないがいい経験をさせていただいたというところだろうか。かなり安く、パリ北駅近くに泊まりたいという旅人にとって、金銭面的には非常に助かる宿となった。
コメント