【DAY14】ドブロブニク 赤い屋根と青い海、石畳の旧市街——ドブロブニクで味わう海辺の歴史と風景

旅行

9月30日

プリトヴィツェの幻想的な湖を後にし、夜行バスでアドリア海沿岸へ。目指すは、旅の中でも特に楽しみにしていた街、ドブロブニク。赤い屋根、青い海、石畳の旧市街。そのすべてが揃うこの街で、クロアチアの海辺の魅力を存分に味わう。

費用

項目 金額(€) 日本円換算(概算)
ザグレブ → ドブロブニク(夜行バス) 35.98€ ¥5,995
ドブロブニクパス(観光施設共通券) 35.00€ ¥5,805
スルジ山ロープウェイ(片道) 15.00€ ¥2,488
昼食(Dundo Maroje) 25.00€ ¥4,146
宿泊費(1泊) 26.73€ ¥4,471
都市税(宿泊税) 2.65€ ¥434
合計 140.36€ ¥23,339

 

21:00→6:45 toドブロブニク

21:00発の夜行バスでザグレブを出発。途中、深夜3時頃にスプリトに到着するなど、何度か起こされる場面があり、熟睡は難しい。6時頃になると車窓から海が見え始め、テンションが一気に上がる。アドリア海が朝焼けに染まり始める頃、定刻通りにドブロブニクへ到着。

南下してきたはずなのに、意外にも寒くて一枚羽織ることに。ドイツやオーストリアよりも南に位置するのに、朝の冷え込みは侮れない。

到着後すぐに宿へ向かうが、受付の人が不在で荷物を預けられず困惑。8時頃になってようやくお手伝いさんが現れるも、英語が通じない。宿泊者の助けを借りて、なんとか荷物を預けることに成功。旅先での言語の壁はあるが、こうした助け合いがあるのも旅の醍醐味

9:00 スルジ山頂上へ ロープウェイ

ドブロブニク旧市街の背後にそびえるスルジ山は、標高412m。ロープウェイでわずか数分で山頂に到達でき、旧市街とアドリア海を一望できる絶景スポットとして人気。

朝一番に乗り場へ向かい、3〜4番目に並ぶ。後ろには団体客が続々と並び始め、運航前から列ができていた。ドブロブニクパスは使えないので注意。

ドブロブニク市内の主要観光施設を効率よく巡るなら「ドブロブニクパス」が便利。1日券・3日券・7日券のいずれかを選べば、城壁、総督邸、海洋博物館、フランシスコ修道院など複数の施設に入場できる。市内バスの無料乗車や一部レストラン・ショップの割引も含まれている。値段が観光客が必ず訪れる城壁の入場料金と同じなので、購入は必須といえる。パスはオンライン購入後、QRコードを提示するだけで使えるが、バス利用時は紙のチケットへの引き換えが必要なので注意。

頂上からの景色は美しいが、ロープウェイのケーブルが写真に映り込んでしまうのが惜しい。

さらに奥の砦方面へ進むと、岩肌が広がるエリアがあり、ケーブルの写り込みを避けた写真が撮れる。有料の展望台もあるが、無料で十分な撮影スポットが点在している。

岩と低木しかないエリアのため足元に注意が必要。

ロープウェイは片道のみ利用し、下山は徒歩を選択。景色を楽しみながら、写真撮影にも適したルート。

10:20 ベストフォトスポット

スルジ山から徒歩で降りる途中、ドブロブニクの定番アングルで撮影できるスポットを発見。事前に調べても情報が少なく、自分の足で探すしかなかったが、それが正解だった。

この写真は一眼レフでアップにして撮影。スマホで同じ距離まで拡大すると画質が落ちるため、撮影機材によって印象が変わるかもしれない。

10:40 旧市街到着

太陽が昇り始め、気温が急上昇。朝の寒さとは打って変わって、重ね着していた服が暑すぎるほど。ドブロブニクは日中の寒暖差が激しいため、服装調整が重要。

ピレ門から入場。下山ルートでは他の門の方が近かったのだが、城壁に上るのにも近いのでこちらの門から旧市街へ入っていくこととする。オノフリオの大噴水というライオンがかたどられた噴水が門の近くにある。ここも貴重な給水スポット。ありがたくお水を頂戴する。

11:00~13:00 城壁

ドブロブニク観光のハイライト。旧市街をぐるりと囲む城壁は、13世紀から築かれた防衛施設で、全長約2km。ピレ門・プロチェ門・聖イヴァン要塞近くの3ヶ所から入場可能で、反時計回りの一方通行。

ピレ門から城壁に上ったところ

ドブロブニクパスを使ってピレ門付近の入り口から入場。赤い屋根の旧市街、青い海、遠くの砦、港に停泊する船、カヤックで海を進む人々など、見どころが尽きない。街はどの角度から見ても美しく、いろいろと発見があるので飽きることもない。道幅が狭く、塀が低い場所もあるため、落下には注意。日差しを遮るものがないので、帽子や水分補給は必須。

最高地点のミンチェッタ要塞からの眺めは圧巻。ただし、階段が多く足への負担は大きい。アップダウンが激しいため、高齢者や体力に不安がある人には厳しいかもしれない。

ミンチェッタ要塞からの眺め

ロブリイェナッツ要塞もよく見える

船着き場にはたくさんの船が集まっており圧巻

11:45 Maritime Museum(海洋博物館)

城壁の途中にある博物館。ドブロブニクの海洋史を紹介する展示が並ぶ。ドブロブニクパスで無料入場できるため、休憩がてら立ち寄るのもおすすめ。

13:00 フランシスコ会修道院(Franciscan Monastery)

14世紀に建てられた修道院で、世界最古級の薬局が併設されていることで知られる。中庭の回廊は静かで美しく、観光客の喧騒から離れて一息つける空間。

見学後、ストラドゥンというメインストリートを歩いて先に進む。

13:20 聖ヴラホ教会(Church of St. Blaise)

ドブロブニクの守護聖人・聖ヴラホに捧げられた教会。バロック様式のファサードが印象的で、旧市街の中心に位置するランドマーク的存在。

13:30~14:30 桟橋(Porporela)

旅の疲れがピークに達していたため、美しい海を眺めながら黄昏れる時間を確保。父親と電話をしながら、澄んだ海と心地よい海風に癒される。この桟橋は旧市街の観光客の喧騒から離れ、波の音を聞きながら静かな時間を過ごせる隠れスポットかもしれない。気温も高く、海に飛び込む人の姿も。近くではボートツアーの勧誘が熱心に行われており、体力があれば参加したかったという気持ちも残る。

14:50 ドブロブニク大聖堂(Dubrovnik Cathedral)

17世紀に再建されたバロック様式の大聖堂。内部にはティツィアーノの絵画や金銀細工の宝物が展示されており、静かな荘厳さが漂う。

15:00 Dundo Maroje 昼食

旧市街の路地にテーブルを並べて食事ができるスタイルが絵になっていて、思わず足を止める。前日はほとんど食事をしていなかったこともあり、空腹感も相まって食欲が湧く。

注文したのは、トマトソースにエビとスモークサーモンを合わせたマカロニパスタ。現地ではこのマカロニに似た形状のパスタを「Pljukanci(プリュカンツィ)」と呼ぶようで、クロアチア・イストラ地方の伝統的な手打ちパスタだという。手で転がして作る紡錘形(両端が細く中央が太い)で、もちもちした食感が特徴。小麦粉と水だけで作る素朴な味わいながら、ソースとの絡みが非常によく、疲れた体に染み渡るようだった。

16:00 宿に戻って休む

ピレ門付近の窓口でドブロブニクパスでバスの一日乗車券を受け取る。なぜかドブロブニクパスはバスを利用するときには紙媒体の一日乗車券との交換が必要である。この影響で旧市街へ向かう際にはバスが使えないというなんとも不便なシステムである。観光もド終盤に帰りのバスのためだけにバスの1日券をもらう。

宿に戻ってようやくチェックイン。小さなホステルではあるが、清潔感があり、受付の方も非常に親切でありがたかった。

本来なら夜の旧市街を歩いたり、夕日を見たりしたかったが、明日の飛行機に乗り遅れるわけにはいかないし、宿から旧市街までは少し距離がある。何より、2日間クラブでの寝泊まり、2泊連続のバス車中泊と続いたことで、4日間まともに眠れていなかった。身体的疲労は限界に達していて、久々のベッドで眠れることが何よりのご褒美だった。

総評

今回の旅で最も楽しみにしていた都市のひとつだったが、その期待を裏切ることなく、見事に応えてくれる街並みだった。何より印象的だったのは、海との調和が生み出す景観の美しさ。天気にも恵まれ、赤い屋根の旧市街と青いアドリア海が鮮やかなコントラストを描いていた。

もしこの街がヨーロッパ内陸の田舎にあったとしたら、城壁の存在が目立つ程度で、他の美しいと呼ばれる都市との差別化は難しかったかもしれない。しかし、海に迫り出すような立地にあることで、街全体が開放的な印象を持ち、海も山も一望できる。観光中には海風を感じ、新鮮な魚介を味わうこともできる。船も、小川をゆったり進むものではなく、沖へと出る本格的なものが多く、海との距離感がまったく違う。

スルジ山からは俯瞰で街と海の全体像を楽しみ、城壁からは街の様子や海の表情を間近で堪能できる。視点の違いによって、ドブロブニクの魅力を多角的に味わえるように設計されていると感じた。

一方で、旧市街の観光スポットとして挙げられる修道院や教会、宮殿などは、他都市と比べて独自性が強いとは言えず、街自体もコンパクトなため、観光はあっという間に終わってしまう側面もある。ただ、観光名所ではない狭い裏路地や桟橋など、ふとした場所にこそ雰囲気があり、落ち着いた時間を過ごせる空間が点在していたのが印象的だった。

素晴らしい観光地だっただけに、睡眠コンディションが最悪の状態での訪問となり、夕方以降の街歩きを断念せざるを得なかったのは少し心残り。夜の旧市街や夕暮れの海を歩くことができていたら、さらに印象深い一日になっていたと思う。

クロアチアでは観光地にしか滞在していないため、治安全般については判断できないが、少なくとも観光地に関しては不安を感じる場面はなかった。旧市街の細い路地も、場所によっては警戒が必要かと思いきや、実際には問題なく歩ける範囲だった。

通貨はユーロではなくクロアチア・クーナだが、観光地ではクレジットカード決済が主流で、ユーロでの支払いしかしていない。現地通貨に触れる機会がなかったのは少し寂しい気もするが、旅の利便性としては非常に助かった。物価も観光地価格なのか高い。それ以外の場所はどうなのかは気になる部分。

 

 

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