イスタンブールはトルコ最大の都市であり、経済、文化、歴史の中心地であります。トルコの首都はアンカラなので首都ではないのですが、ありません。ボスポラス海峡をはさんで、ヨーロッパとアジアにまたがる非常に珍しい都市でもあり、ヨーロッパ側は金閣湾をはさんで新市街と旧市街にさらに分けることができます。かつてコンスタンティノープルという名で東ローマ帝国の中心地として長い間世界史の中心地として繁栄している。そのため、キリスト教の文化とイスラム教の文化が融合していることが非常に興味深い都市であるとも言えるでしょう。現在でもキリスト教文化を伝える博物館であったアヤソフィアをモスクに戻そうという話が出るほどであります。
世界的な観光地でありながら、英語表記が少なかったり、観光料が頻繁に変わったり、観光客を狙うしつこい客引きやぼったくりが横行するなど決して観光しやすい地域とは言えません。今回は実際にイスタンブールをどのように観光したのか。また、観光上の注意や効率よく回るためにはどうすればよいかをレクチャーしようと考えております。
宿
イスタンブールは大きな都市にはなりますが、王道の観桜地の多くはヨーロッパの旧市街側に集中しています。宿泊先もこの付近にとるのがよいでしょう。
旅の値段について
依然として物価は安いのですが。観光に関する費用は個々のところ爆上がりしているようです。特に値段に関してネット上の情報が全くあてになりません。自分が訪れた2020年3月時点の正しい情報ですらネット上に載っていないのです。今さらに値上げされているのか、据え置きなのかも私自身情報を得ることができません。そのために値段ではなく満足感で行くべきか否かを決めてもらいたいというのがこの記事の目的でもあります。
イスタンブールミュージアムパスは購入の必要がないと現地のガイドに言われました。基本的にはアヤソフィアと、トプカプ宮殿がマストな観光地なのですが、それ以外に2,3の博物館に行かないと元が取れないので、昔の安い時期ならまだしも現状お得ではありません。
実際のプラン
1日目
9:00 ブルーモスク (0リラ)
9:30 アヤソフィア (100リラ)
11:00 地下宮殿 (30リラ)
12:00 トプカプ宮殿 (72リラ+ハレム42リラ)
14:30 昼食(ケバブ)
16:00‐18:00 クルーズ (130リラ)
2日目
10:30 スレイマニエモスク (0リラ)
11:30 ガラタ塔 (35リラ)
12:00 昼食 (サバサンド)
13:00 エジプシャンバザール&グランドバザール
1日で観光するなら?
9:00スレイマニエモスク (0リラ)所要時間:30分
徒歩20分
10:00 ブルーモスク (0リラ) 所要時間:30分
徒歩4分
10:30 アヤソフィア (100リラ) 所要時間:1時間~1時間半
徒歩1分
12:00 地下宮殿 (30リラ)所要時間:30分
昼食
14:00 トプカプ宮殿 (72リラ+ハレム42リラ)所要時間:2時間前後
16:00~クルーズorガラタ塔(新市街ショッピング)orハマムorバザールショッピングor 他の博物館
実際の観光レポ
1日目
9:00 ブルーモスク (0リラ)★★☆☆☆
スルタンアフメット・ジャーミィと呼ばれるこのモスクは、世界で一番美しいモスクとも称されており、内部が青っぽいことから、ブルーモスクと呼ばれています。尖塔が6本立っていることも特徴的です。イスラム教のモスクとして使われていることもあり、入場料はかかりません。しかし一日5回の礼拝時間は観光できないので注意。礼拝があまり行われない午前中の早い時間に行くのが吉でしょう。無料ということもあり、必ず訪れるモスクではありますが、自分が訪れたときには外部内部ともに工事中で全貌が見渡せないのが残念でした。外壁も少しくすんでいるのもあって美しい写真を撮ることができなかったので個人的にはこの評価となっています。
修繕部分には垂れ幕のようなものがかかっていました。写真は修繕部を避けて何とか内装を撮影しています。
9:30 アヤソフィア (100リラ)★★★★☆
ブルーモスクの目と鼻の先にあるアヤソフィアはイスタンブールの歴史を象徴する建物の一つでハギア・ソフィアと呼ばれます。外装はイスラム教のモスクのような尖塔やドームでありながら、内部にはキリスト教のモザイク画をはじめキリスト教の時代の名残が多く残されており、現在では博物館として開放されています。特徴は何といっても巨大なドーム構造になっていて内装がまとまっていること。外壁が赤っぽいのも特徴です。内部の修理と事前情報の入場料72リラからの値上げが衝撃的でした。絶対に訪れるべき博物館ですが、現在再モスクかの話が浮上しており、今後の展開にも注目が集まります。
内部はモスクとは異なり、壁面に大胆な装飾が施されていまいした。左サイドが完全に鉄筋が組まれており残念でした。
二階にのぼることができます。キリスト教関係のモザイク画が多く見学できます。
11:00 地下宮殿 (30リラ)★★★★★
バシリカ・シスタンという地下宮殿。アヤソフィアのすぐ近くだが、地下に位置するため地上の外観では少しわかりにくいです。地下宮殿とは言うものの4世紀から6世紀に造られた地下貯水槽であるとのことです。柱が立ち並ぶ空間は真っ暗で、写真はかなり光を集めているので明るくも見えるが、実際はほとんど何も見えません。奥に進むとメデューサの頭が柱につぶされているものがあり、それも見どころ。非常に幻想的で静かな空間で入場料を含めて考えても、必ず行くべきポイントであると感じました。
メデューサが石柱につぶされている様子を表現しています。メインのフロアの奥の突き当りにメデューサがいました。途中の通路は何もないのですが、説明の看板だけあったのでどこにあるのかわかりにくかったです。
12:00 トプカプ宮殿 (72リラ+ハレム42リラ)★★★★☆
当時のオスマントルコ帝国の栄華を今に伝えるものとして歴史的価値が高く、宮廷の女性たちの生活の場であったハレムや、ダイヤモンドやエメラルドなどの宝石をあしらった豪華や宝飾品や美術工芸品の数々などを見学できます。別料金にはなりますがハレムの装飾は非常に美しく、人も少ないので特におすすめです。
ガラスと青を基調としたタイルの壁面が美しい似たような施設が庭に多くありどれも見ごたえがありました。
高台にあるので景色を見ることができます。アジア側を見ることができました。
こちらはハレムのスルタンの広間と呼ばれる巨大な部屋です。プライベートスペースにもかかわらず丁寧な装飾で豪華絢爛です。男は宦官しか入れなかったとされるハレムは男の夢といった感じでしょうか。
タイルのデザインも庭園の施設とは少し違った印象です。このような閉塞空間の連続したタイル装飾に個人的にはすごくそそられました。
14:30 昼食
ケバブ
トルコアイス
16:00‐18:00 クルーズ (130リラ)★★☆☆☆
ボスポラス海峡クルーズは金閣湾を出発し、エミノミュ港周辺やドルマバフチェ宮殿などいくつかの観光スポットを船上から見ながらクルーズすることになり、片岸がアジア、もう片岸がヨーロッパのであるボスポラス海峡を往復2時間ほどで見て回ります。ネットの情報だと、12リラから25リラとの情報が多かったところ、どこのクルーズ会社も20ユーロでの運行しており、15ユーロに値下げしてもらい、乗船しました。この値段にしては見どころが少なめで終盤は見所が薄く、冬の船上の寒さと雨でつらくもありました。
カモメでしょうか?たくさん飛んできます。船上ではパンを売っていてそれを客が投げます。鳥たちはそれをうまくキャッチします。かなり近くを鳥が飛んでいるので迫力があります。背景はドルマバフチェ宮殿です。非常に統一感のある美しい宮殿だと思いました。旧市街から少し距離があるので観光を断念しました。
ルメリ・ヒサルというオスマン帝国の要塞も観ることができます。
船がUターンする目印となるボスポラス大橋です。まさにアジアとヨーロッパの境目。
乙女の塔と呼ばれる海に浮かぶ灯台です。中にはレストランがあるそうですが、かなり行きにくそうではあります。
2日目
10:30 スレイマニエモスク (0リラ)★★★★★
金閣湾を見下ろすように立っていてイスタンブールで一際目立つモスクがこのスレイマニエジャーニー。オスマン帝国最高才建築家ミマール・スィナンが設計をてがけ、当時の最高技術を駆使し59×58mの床面に、直径26.5mの円形屋根を載せて、高さ53mの大ドームを造り上げたそうです。イスタンブール歴史地区の中心からは離れているために、観光ルートや訪れるべき観光地としてなぜだか漏れていることが多い印象ですが、絶対に行くべきモスクです。何より修繕がなく美しい全貌がみられること、外壁がきれいであるということがブルーモスクとの比較ポイントです。もし修繕がない状態で内部を比べたらブルーモスクの方が美しいかもしれませんが外からの見た目のスケールはこちらに分配があがります。ブルーモスク同様、モスクとして利用されているため礼拝時間には観光できないことを念頭に置き午前中早めに訪れるとよいでしょう。
天井を含めて全体的に白壁で明るい雰囲気。窓から差し込む光や照明も相まって空間全体が厳かで美しいと感じられます。
奥はムスリムでない者は立ち入り禁止。なので赤いじゅうたんと空間がマッチしています。実はガラスも細かいステンドグラスのような装飾が為されているので綺麗でした。
11:30 ガラタ塔 (35リラ)★★★★★
スレイマニエモスクから歩くと30分くらい。勾配のあるルートを歩く必要があります。ガラタ塔は今回の旅で最も良い意味で期待と裏腹だったといえます。塔とはいえ外観それほど高くなく、景色もそれほど期待していませんでしたが、このガラタ塔のある場所がそもそも高台であることもあり結構な高さを誇ります。また、天気が抜群に良かったこともあって金閣湾を一望できる絶景パノラマがそこにはありました。高すぎないことで逆に動く船の様子やガラス越しではない海風を感じられ最高でした。海がきれいであるという印象と夜明るい都市ではないので夜景よりかは日中訪れるとよいと思いました。
手前の新市街側右奥の旧市街側遠くに見えるアジア側とパノラマ絶景を楽しめました。水面に太陽の光が反射して非常に美しかったです。
12:00 昼食
サバサンド
13:00 エジプシャンバザール&グランドバザール
イスタンブールの中でも治安が悪いといわれているエリアになります。目玉のお守りだとか、ランプといった小物や骨董といったお土産が欲しい方にはいいでしょう。実際かなり安価にお土産を買うことができますし、両替のレートもイスタンブールの中で最も良いです。他にゼリーのようなお土産が有名だそうでそれらは近くのスーパーで購入しましょう。
まとめ
観光する場所が一か所に固まっていることもあって1日あればかなりの観光地を一気に回ることが可能です。2泊3日くらいになると、非常に濃密にイスタンブールを観光することができるのではないでしょうか。個人的にイスタンブールでやり残したこととして、ドルマバフチェ宮殿見学、ハマム体験、トルコ料理をもっと食べることの3点くらいでした。
3泊4日となると意外とイスタンブールを持て余すのではないでしょうか。日帰りで行ける近くの都市が少ないので私はカッパドキア日帰りを断行しました。その辺も一考する余地があります。
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