ベルギー自由記
個人的にベルギーはチョコレートが好きなこともあって非常に期待していた国だった。だが、正直なところ、オランダほどの感動はなかったといえる。
ブリュッセル東駅を降りると、その周辺は、かなり小便臭い。事前に聞いてはいたものの、首都の一番大きい駅ともいえるその付近で臭うのは印象がよろしくない。小便小僧が置かれているのはにおいが原因なのだろうか。中央駅の方まで20分ほど歩いたが、その間もヨーロッパの首都とは思えないさびれた感じだ漂っていた。
グランプラス周辺は、さすがにヴィクトール・ユゴーが世界一豪華な広場と形容しただけあって非常に見ごたえがあったものの、その範囲は狭くブリュッセル自体に大きな魅力を感じなかった。あまり滞在時間がなかったから、もう少し、計画を立てて観光したら印象が変わったかもしれない。
その点ブルージュは行く価値のある街だと感じた。カラフルなヨーロッパの建物はやはり、惹かれるものがある。一人で観光するとなんだか、船に乗って高いところにのぼるということでしか時間をつぶせないためこればかりになってしまうが、ブルージュは目立った写真スポットがあるというよりも、街全体が美しく飽きないといった印象。
個人的ハイライトは聖血礼拝堂と、マルクト広場の鐘楼である。
聖血礼拝堂は小さいながら、薄暗い中にステンドグラスから指す光が幻想的で内部装飾もきれいであった。もしかして内部が明るかったらここまで惹かれることもなかったのかもしれないが、絶妙な神秘感を漂わせている内装が心に残った。
鐘楼はのぼってみるべき景色を見ることができたという点で素晴らしい。高い建物はしばしば上るが、その価値は上から意味ある景色なのかということにあると考えている。この鐘楼にはそれがあった。ところ狭しと並んだブルージュの建物とその屋根の赤さは地上からでは実感しにくい。また鐘楼群として世界遺産登録されているこの地であるが地上からだとその全貌が分かりにい。その点適度な高さで街全体を見渡せるこのスポットにのぼることに大きな価値を感じた。
とはいえ、街が小さいのと、教会や美術館ばかり見物してもつまらないので予定よりも早くブルージュも後にすることになった。
次の目的地フランスに行く予定の電車までだいぶ時間があったために、どうしようかと考え、ブリュッセルとブルージュの間にあるゲントという都市に行ってみようという考えになった。ゲントはブリュッセル、アントワープに次ぐ第三の都市であり、ごつい建物が多いということで、ワッフルでも食べながら時間つぶそうという考えに至ったのである。だが、ここでトラブル発生。グーグルマップが表示できない。原因を探したところどうもSIMカードのギガを使い果たしてしまったらしい。ゲントは駅前の広場でその事実を知るのに費やしたのみで、SIMカードを探してブリュッセル東駅へ。
とにかく、両替所の人なんかにSIMカードの在りかを教えてもらい、何とか+15ギガ購入。もっと少なくてよかったのだが、これが最低なのだという。余計な出費だったが助かった。ブルージュを早めに出発しといてよかったと思った。
ベルギーはかなり滞在時間が短かった。それまでイギリス、オランダにいたからか食事がかなりおいしく感じた。しばらく行きたいとは思わないが、行くのであればアントワープあたりに行きたいと思う。
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